NeBonga

フリーランス/経営者、7年目の秋。

一気に気温が下がり、秋らしい日が多くなってきましたね。
2014-2016年に住んでいたウガンダが、ちょうど日本の秋の気候に似ている国だったので、この時期になると少し感慨深くなります。近いようで、遠いようで、やっぱり近い存在に想いを馳せる時間。好きです。

今回の記事では、「7」という数字としてはめちゃくちゃ中途半端ですが、タイトルの通り『フリーランス/経営者』として歩んできた道のりを振り返りつつ、フリーランス1年目の駆け出しの時期の自分にもしアドバイスをするとしたら?という内容で、3つのポイントに絞って綴っていこうと思います!

映像や写真に関わらず、フリーランスなりたての方やキャリアをどうしようか迷っている方に届くと嬉しいです。

経歴

改めて私の経歴をご紹介すると、こんな感じになります。

2013 関西学院大法学部政治学科卒
2014 JICA海外協力隊としてウガンダ共和国へ
2017 ポンプメーカーの国際営業部勤務
2018 個人事業主として独立
2023 株式会社NeBonga設立、代表取締役に就任

何度かやってきた分岐点を少しほぐして振り返ってみます。

・JICA海外協力隊から帰国した直後は、ビジネスでアフリカや中東に貢献したい!という想いから当初アフリカに行く前に抱いていた大学院への進学国際機関への就職などから段々と離れていきます。きっと落ち着いて勉強する、というより現場の温度や感覚を失わないうちに行動したかったのがその理由でした。

・結果、就職して9カ月で退職することに。勤務時代はそこまでしんどいものではなく、どちらかというとホワイトな職場だったと思いますが、デスクワークばかりで自分が今まで培ってきたものがゆっくりと離れ死んでいくのが手にとるようにわかりました。「とりあえず3年!」っていう風潮は今よりも強く、何も続かなかったというレッテルを張られるのも嫌やなぁと思いながらも退職しました。退職を決意した帰り道は胸のつっかえのようなものが取れて、大きな大きな自由を手にした気持ちでした。後で周りの友人らに聞くと「よく9カ月も続いたね!」と言われる始末。向いてなかったんですね…。

・何の人脈も知識も経験もないなか、旅のなかで磨いてきた撮影スキルだけを頼りに個人事業主として独立。右に転ぼうが左に転ぼうが、「なんとかなるだろう。」と楽観的な思いで始めました。このへんの感覚は一人旅をしていた感覚と似ていて、1つ開拓精神をくすぐられる感じで、未知の場所に踏み出すワクワク感はありました。でも振り返ると遠回りもしただろうし、こういう風に考えればよかったな、って思うこともあります。

・5年間の個人事業主としてのキャリアを経て、2023年に法人化しました。法人化の理由はまたブログにまとめてみてもいいのですが、理由はたくさんあります。結果的に「法人化してよかった」です。

それでは3つのポイントを見ていきたいと思います!

①独学は正義か!?

「写真や映像って独学で身に付けたの?」とよく聞かれますが、私の場合は完全に独学です。
師匠のもとで学ぶ、学校に通う、制作会社に就職して…、など独学ではない道ももちろんありますが、会社員には向いていないというスタート時点での制約があるので、私の場合は自然と独学の道に進みました。

まわりで写真や映像を生業にフリーでやっていた友人が一人もいなかったなかでの独立だったので、今振り返れば不安なことだらけだったなと感じますが、もう一度やり直せるとしても同じ道を辿っている気がします。1つ言えるのは、独学だろうがなかろうが、人から学ぶと知識は偏るものなので、「自分の知識は偏っている」という認識を常に持ち幅広くインプットし実験して試していく、というのが正解な気がします。人からは学べない現場の肌感というものもあるので、はじめは数→質にこだわっていくのがいいかと。

事実、私の場合は機材・撮影に関する基本的な知識のほとんどはYouTubeをはじめとしたネット上の情報や本で身に付けてきました。(おすすめの本に関してはまたブログにまとめようかと思います。)あれ、あの人と言っていること違うな、ってこともありますし、別々の人にアドバイスを求めたら違う答えが返ってきます。こうするのが正解、というものでもなく、好ましいってレベルの差です。

機材をあまり持っていなかった時期は編集スキルを身に付けようってことでDavinci Resolve(無償の編集ソフト、有償版もあります)をダウンロードして、海外のクリエイターのチャンネルを見ながら練習していました。毎日のように朝まで作業する日があり、スペックの低いPCで悪戦苦闘しながらもできたときはとても嬉しかったのを覚えています。

撮影技法や編集・演出などは本当に好みが分かれるので、クライアントワークであれば引き出しを数多くもっておき、その場その場で最適解を出していく鍛錬が必要になってきます。自分の好みや方針をお客様にぶつけるのではなく、提案力(結局のところコミュニケーション力)が強く求められる業界なので、そこも数を積み重ねて磨いていくしかないですね。

課題があればつぶしていく、新しいスキルを身に付けたければ先行投資で機材を買って試していく、そしてそれを現場に取り入れていく、の繰り返し。そのPDCAサイクルが個人的には楽しかったりしています。結論、楽しみながら学ぶのが一番です!

独学は正義か!?のまとめ

どちらが正解!最短!というものはなく、人から学ぼうが、独学で学ぼうが結局は知識は偏る。
幅広くインプットして、試したい!と思うことには時間をお金もどんどんかけて、自分の型を早く見つける。

②特性を活かした選択とセルフブランディングって!?

フリーランスで生きていくとなると、強みとして掲げる武器、名乗る肩書き、そういったブランディングもすべて自ら行っていくことになります。

やっぱり武器になるのは自分自身が「ハマるもの」がいいと思います。
時間を忘れて考えてしまうこと、スキルの獲得にエキサイトできるかどうか、です。

人と出会う、新しい景色を見る・知る、人を撮る、自分の感性を混ぜていく、ビジュアルコンテンツ(国境を越える)である、音楽的である…過去私がハマったと言える行為の真ん中にあったのが、「感性・感情を映像化する」でした。自分が今まで取り組んできたり、好きだったことをすべてを詰め込める気がしたんですよね。

加えて、自分自身を○○的と例えるとしたら、私は言葉で説明する・される/理解することを非常に好む論理的な人間です。なんといいましょうか、頭で理解したあとに、やや少し遅れてじわじわと心の芯の部分が熱を帯びていくタイプの人間です。そして、一旦芯が熱を帯びると、よほどのことがない限り冷めない(醒めない)タイプです。直感的に心が反応することももちろんありますが、画像イメージだけでなく、言葉でもその状況を説明できるということに重きを置いている人間である気がします。

行動に起こして収益化していく前に、そもそもの「私ってどんな人間でどんな特徴があるの?」という問いかけにしっかりと答えられると、そのものが1つの行動指針になり負荷のないかつ秀でた戦略になります。そこに見合った発信の仕方、営業のかけ方、仕事の仕方、がある気がします。事細かに伝えるのは非常に難しい部分ではありますが、この色がハッキリと出ている同業はみんな楽しそうに仕事をしています。

こういうことって家の中にこもって考え続けるのはなかなかしんどいので、人に聞いてもらいながら解剖していくのが良いですね。

特性を活かした選択とセルフブランディングって!?のまとめ

キャリアをスタートさせる前にしておくべき自問自答!
・自分自身がハマっているものは何か。
・自分自身を○○的、と例えるなら何か。
・それを強みにしていくには、どんなスタイルが適性か。

③気楽に続けていくマインドセット

フリーランスとして、経営者として、これからはこんな考え方でいこう(こんな考え方で時間を過ごせばよかった、という自戒の念もこめ)というポイントをまとめます。

マインドセット…個人の考え方や物事の見方、心構え、信念、価値観、判断基準などを指す言葉です。心理学用語で、無意識の思考や行動パターン、固定観念、思い込み、思考の癖などを意味します。

これは、前々回書いたブログ『表現者として必要な3つの自己分析』でも触れたことですが、息の長いキャリア、好きなことで食っていくコツのようなものです。パッと思いつくことを書き出してみます。

  • 映像や写真と関係のないことにもたっぷりと時間を使う。
  • 読書や映画鑑賞、旅など「自分の心が動く体験」を日常的に取り入れていく。
  • ルーティンワークの中に1%でもいいので過去に触れたことのない新しい試みを混ぜてみる。
  • 定期的に立ち止まり、今の自分の立ち位置や目指す目標を整理して、人と共有する。

こうやって書き出してみると見えてくるのが、きっと自分は「挑戦」「感動」「指針」などを重要視するタイプなんだな、ということです。もちろん人によって、息の長いキャリアにするための基準や条件は異なってくると思いますが、自己分析ができているとストレスを緩和させることにも繋がりますし、何より日常のなかのワクワク感を増やすことにも繋がります。

先ほどのリンク先の文章がこのパートを深掘りしたものだったのかな、と今になって気づきましたが、立ち止まって物事を整理する効用って信じられないぐらいあるので、午前中にコーヒーでも飲みながら、できれば身体を太陽に晒して散歩でもしながらトライしてみてください。

気楽に続けていくマインドセットのまとめ

ワクワク感を持続させるために自分にとって必要なON/OFFのスイッチがどこにあるのかを知り、モチベーションを保つための相談相手や習慣を積極的につくり取り入れていく。

おわりに

独立して6年。本当に、本当にあっという間でした。
稼げたお金の額とか、身に付けたスキル・経験も、買った機材とか、みんないろんなことで承認欲求を満たそうとしていますが、いかに「自分らしくあれたか」がブレなければ、あとはなんだっていいと思っています。自分らしく旅を続けていくなかで、人と出会い、心を震わせ、カメラを握り続けてきたことに感謝できるか。それで十分なんです。

挑戦をしていると面と向かって妨害してくる人もいます。不毛な質問ばかりぶつけてくる人や、何の価値もない古臭い慣習にすがりそれを強要してくる人。社会的な同調圧力や固定観念、先入観も含め、ポジティブな変化や成長を妨害する要素って、めちゃくちゃあります。本当に。

そういう<声>から距離を置き、自分自身で道を選択していくには、「好きなことを選択し続けることに慣れる」必要があります。新しいことを始めるときに、決まって突っかかってくる人が社会には一定数いますが、そういう人はあなたが挑戦を諦めて、挑戦しない自分を肯定したいだけなので、挑戦を迷ってる人がいるなら問答無用で挑戦してください。自分を信じ抜けるバカが世界をよくしていく。まずは自分の「熱量」を信じてあげるところから、です。

ただ「自分らしい」と言い切るには、「自分」の特性や体質を理解していないと語ることができないことだし、何よりその礎さえしっかりとしていれば、大きく舵をきったとしても当初の自分の気持ちを裏切らずに済みます。どんなときも自分の存在やあり方を否定しない、悔しいことがあれば行動で挽回。一緒にがんばっていきましょ。

今回もご覧頂き、ありがとうございました!

Tallinn, Estonia / 2019 日当たりの良い場所で、友人とお茶でもしながら話そうよ。

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